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雑感:うつ病の偽装を見極めるには

 mixi方面のある方の日記を読んで色々思ったので、雑感を書くことにする。

 その日記の趣旨と言うのは以下の通り。

 過去に一度うつ病の診断を受けたとある人物が、その日記を書いた人の部下についたらしいのだが、どうも様子がおかしく、ある時期から突発的な遅刻や欠勤が目立つようになった。リサーチを掛けた結果、うつ病を盾に体調不良を装って、自分の趣味の為に外出していたのが発覚したとの事。

 はっきり言ってしまうと、うつ病の偽装的振る舞いは可能だ。うつ病などの「心の病」の大半は、数値などで診断されるものではなく、医者と面と向かって話をし、最終的に医師が判断する。ある程度の診断のガイドライン的なものはあるにしても、結局は数値的な判断がなされないので、ネットでうつ病っぽいキーワードをさらってきて、そのまんまを沈みがちに医者へ告げればおそらくうつ病の診断は下されてしまう。

 うつが社会現象として表ざたになってくれば、ある程度の確率でこういった「偽装うつ」を装う人が現れるのは仕方ないとは思っている。しかし、これでは真面目に苦しんでいる人が浮かばれない

 Nさんの実例(過去の記事)を見るからに、ほんとに辛い人は周りが見てて辛くなるほど、ぎりぎりまで耐える。僕の周りにも数名、もう十分だろうと思われるのに性格的に働きしすぎてしまう人の実例を、周りで嫌というほど見ていて、どうにか休ませる方向に持っていけないかと心を痛めているくらいだ。

 そういった本当に辛く、なおかつ、性格的にうまくストレスの逃げ道をうまく作れない人々に対する、最後の駆け込み寺的な存在が今のうつ診断の役割だと思う。

 ですので、偽装を行い、作為的にサボろうとする輩は本当に心の底から許せないのだ。多分、将来的にはうつ病の増加とセットでいわゆる「偽装うつ」が社会的にもっともっと認知されてくると思う。こういった状況が長く続いていくと、本当に休むべき人への妨げになる可能性がある。

 少数派だとしても偽装的なうつが存在している場合、病気そのものの知識が無いと、一般的な上司はおそらく判断できず無駄に振り回されてしまうだけだと思われる。そんなどうでも良いことに時間を割くのは無駄が多すぎる。

 あまり結論めいた事は書けそうにないが、要は、本人の落ち込みや自己嫌悪が極端になり、周りに適応できなくなったり、負荷が大きすぎて思考停止している状態かどうかが、とりあえすの見極めポイントになる。

 結局、長く偽装していれば、mixi日記の実例のようにいつかはボロを出すはずなので、この人は何かおかしいと思った場合、まずはその人の様子を注意深く観察するのが良いかもしれない。その際、感情抜きで冷静にその人を観察することが大事だ。まず、その辺りを軽々しく公言する人は怪しむべき。性格的に耐え忍んでしまう人は、一度掛かったうつ病を軽々しく口にしない。

 また、休ませる方の立場にいる人についても、ある程度はこの病気についての知識を蓄えておく事と、ある程度の割合で偽装が存在していることを認知する事が今後必要になってくると思う。

 社会的認知の方は、おそらく数年もすれば自然と表沙汰になってくると思う。そういう点では、現在の生活保護の締め付けと良く似た問題かもしれない。

2012.12.29追記

 コメントより指摘を頂き、「仮面うつ」の表現が正しくないと感じましたので、内容を一部変更しました。

 この記事のカテゴリは、ソフトウェア開発 です。
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