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naglly.com > 気になるもの  > 無線LANの無銭は許されるのか(野良APやタダ乗り)、法律的な観点で違法か合法か

無線LANの無銭は許されるのか(野良APやタダ乗り)、法律的な観点で違法か合法か

無線LANイメージ

 公衆無線LANや、野良APの事を話題にしつつも、この問題についてはなんとなく避けてきた僕ですが、現状では『無線LANのタダ乗り』と言われる行為が法律に違反しているのか否か、真面目に調べてみたいと思います。

 なお、この記事の調査については、あくまで法律的な観点の話です。法律的に○か×かと言う事を客観的に書いていきます。これは、人道的、道義的な話とは切り離して考えてください。また民事裁判の範囲はまた別問題です。

 まず、情報処理推進機構と言う独立行政法人が不正アクセスに関わる法律をいくつか上げています。

情報処理推進機構

 このページのFAQ(よくある質問)の中に「Q0-4:不正アクセスの法的規制はどうなっていますか?」と言う記載があります。この中には3つのURLが紹介されています。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律
アクセス管理者向け法律解説資料
不正アクセス行為の再発を防止するための都道府県公安委員会による援助に関する規則

 この3つの法律を見てみると、どこまでが違法でどこまでが合法なのかが分かってきます。

 ここで不正アクセスとは以下のように定義されています。

  • 他人の識別符号を無断で入力する行為
  • アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報又は指令を入力する行為

 図解されてますので画像を転記します。

不正行為1
不正行為2

 これらの事から、不正アクセスとはあくまで、他人のパスワード・IDを使ってアクセス、もしくは、セキュリティ機能を意図的に突破してアクセスの2種類のみとなります。

 したがって、セキュリティ的にID・パスワード、暗号化がされていない他人の家に設置してある無線LANにアクセスする行為自体は現時点で違法とは言えないわけです。

 ただし、他人の無線LANにアクセスした上で違法な行為をした場合、犯罪になります。踏み台にされるって言いますね。

 しかし・・・。他に電波法と言うのもありまして、電波法には以下のように書いてあります。

第59条 何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信であるものを除く。第109条並びに第109条の2第2項及び第3項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。

第109条の2 暗号通信を傍受した者又は暗号通信を媒介する者であつて当該暗号通信を受信したものが、当該暗号通信の秘密を漏らし、又は窃用する目的で、その内容を復元したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

電波法 - houko.com

 文章だけ見ても、さっぱり訳分からんですが、「タダ乗りが無線の傍受にあたるのか?」と言うのが最大の論点です。現時点ではグレーゾーンな為、単なるタダ乗りだけでは罰せられないと思います。(民事的な話は別)

 あくまで今の現状ですが、無線LANのセキュリティについては、「無線LANを設置したユーザの責任」と言う色合いが強いようです。また、アクセス用のIDや暗号化がされていない無線LANは、公共の電波と区別が付かないので、公衆LANとみなされても仕方がない、とも言えます。

 ですが、そのLANを使って違法行為をすれば罰せられます。これは自宅のLANからやっても同じことなので、タダ乗り云々とは別次元だと思います。 

 ただし、2011年に電波法が大幅に改正されるようなので、ここらあたりのタダ乗り部分についてはきちんとした条例が追加されるのではないかと思います。いつまでもグレーのままでは気持ち悪いので、きちんと実情に合うよう整備して欲しいと思います。

 この記事のカテゴリは、気になるもの です。
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