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緯度で求める、海洋対陸地の占有比率と陸地の合計面積

ratio_between_land_and_sea.png

 中学時代の地理で、地球の海洋面積と陸地面積の比率はだいたい7対3と教わりますが、緯度ごとに分割してみると、それぞれの面積比率はかなり異なります。

 今回紹介する動画は、世界地図の陸地を左側にざーっと詰め込むことにより、緯度による海と陸の面積比率を分かりやすく教えてくれます。

海洋対陸地の占有比率チャート

 動画だと左詰めにした後、元の世界地図に戻ってしまうので、動画の進行率50%の位置をキャプチャーしてみました。

50_map.png

 静止画で確認してみると、北緯65度付近の陸地が最大比率で75%を占め、そこを頂点として、北と南は陸地の比率が減少していきます(南極大陸は例外として除く)。

 北緯65度を世界地図で確認すると、北欧→ロシア→アラスカ→カナダ→グリーンランドと言うラインです。利用可能な土地面積が広いのは、使う人間にとって有利ですが、寒すぎてうまく生かせないかもしれません。

 ...と、ここまで書いて気づいたのですが、この図法だと見た目の大きさと実際の面積が同一ではない為、陸地の正確な面積が分かりません。そこで別のサイトから正確な面積が示されているチャートを探してきました。こっちの方が先の話を書きやすい。

緯度別、陸地の合計面積チャート

land_by_latitude.png

 こちらのチャートだと、面積比率で一番だった北緯65度は、実際は3番目くらいのピークです。北緯50度と北緯30度が土地面積の1位2位を争っています。

 僅差で1位となった北緯50度ラインは、ドーバー海峡→ヨーロッパ(ベルギー・ドイツ・ポーランド)→カザフスタン→モンゴル→カナダ・アメリカ国境付近を通過しています。中世から近代まで、比較的長い期間、発達している地域と言えます。

 一方、2位の北緯30度ラインは、北アフリカ(モロッコからエジプト)→イスラエル→イラク→イラン→中国→メキシコ→アメリカ(フロリダ地域)であり、言わずと知れた、古代文明の発祥の地を貫くラインとほぼ重なります。

陸地の東西方面の広さと文明の関係

 北緯50度、北緯30度ラインに属する地域を眺めてみると、東西方向の広さと文明の発達具合には何かの関係があるような気がしてきます。

 少し前に話題になった、ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」では、『文明の発達度合いは、人種の優秀さにより決まるものではなく、陸地における東西方向の広さなど、地理的要因の方が大きい』と書かれており、今回のチャートを見ると、その説もある程度頷くことが出来ます。

 こんな事を考えつつ、このチャートを眺めていたら結構楽しめました。

 ここで紹介するまでもない超有名本ではありますが、「銃・病原菌・鉄」、地理好きでまだ読んでいない人はぜひ。

 この記事のカテゴリは、地図に関するもの です。
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