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naglly.com > xkcd日本語訳(2014年)  > 私感で選ぶ、翻訳したXKCDコミックのベスト10話(2013年まとめ)

私感で選ぶ、翻訳したXKCDコミックのベスト10話(2013年まとめ)

 当記事は、毎年の恒例となっております、これまでに翻訳してきた2013年分のXKCD記事の中から、私感で選んだXKCDコミックのベスト10話を掲載します。過去のベスト10記事は、2009年?2010年2011年2012年)からどうぞ。

 本家のXKCDは以下より。

 選考範囲は、#1152 xkcd: Communion?#1310 xkcd: Goldbach Conjecturesです。この中には、2013年のコミック157話+去年選考に入れていない2話分が含まれています。

 このランキングの選考基準はおおよそ以下の通りですが、基本的には僕の私感です。

  • 奥深いもの
  • 単純に笑えるもの
  • XKCDっぽいなぁとしみじみ感じるもの
  • ツイート数、もしくは、はてなブックマーク数が多いもの

 毎年書いておりますが、たとえこれらの記事が誤訳を含む拙い翻訳であったとしても、XKCD翻訳は僕の趣味かつ、ブログ更新の原動力だと考えており、僕のネット生命の続く(もしくは、XKCDの最終回が来ない)限り続けていきますので、今後とも末永くよろしくです。また、コメントなどを通して、僕の誤訳を修正していただいた皆様に改めて、お礼申し上げます。

10位: Alternate Universe(パラレルワールド)

alternate_universe.png
©xkcd.com Creative Commons Attribution-NonCommercial 2.5 License

Alternate Universe(パラレルワールド)

[Imagine you were transported to an alternate universe just like your own, except people occasionally ate spiders.]
 (人々がたまにクモを食べる事以外は、違いが全くないパラレルワールドに転送されてきた事を想像してみて。)

[You can't convince anyone this is weird.]
 (これは奇妙な事だと誰にも納得させることが出来ない。)

女: MMM...
 (うーん。)
.
男: No! What are you doing!?
 (だめだ。なにしてるんだ!)

[This is how I feel about lobster.
 (これが、僕がロブスターについて感じることです。)

Alt-text: As best as I can tell, I was transported here from Earth Prime sometime in the late 1990s. Your universe is identical in every way, except for the lobster thing and the thing where some of you occasionally change your clocks for some reason.
 (分かる範囲では、僕は、1990年台後半のどこかで、「地球'」からここに転送されてきた。君たちの世界は、ロブスターの事柄と、時折なぜか時計を変える事以外は、あらゆる面で区別が付かない。)

 ロブスターが嫌いと言う作者の感覚を、SF的な展開を持って来ることで分かりやすく説明する話です。この無理矢理なSF的要素が、XKCDの魅力の一つです。

9位: Bee Orchid(ハチのラン)

bee_orchid.png

Bee Orchid(ハチのラン)

女: There are these orchids whose flowers look like female bees. When males try to mate with them, they transfer pollen.
 (メスのハナバチのように見える種類のランがあるわ。オスがこの花と交尾しようすることによって、ランは花粉を移動させるの。)

This orchid -- Ophrys apifera -- makes flowers, but no bees land on them because the bee it mimics went extinct long ago.
 (このラン...Ophrys apifera...は、花を作るんだけど、擬態するハチがかなり昔に絶滅したみたいで、ハチはこの花に飛びつかないの。)

女: Without its partner, the orchid has resorted to self-pollinating, a last-ditch genetic strategy that only delays the inevitable. Nothing of the bee remains, but we know it existed from the shape of the flower.
 (パートナーが居ない、そのランは、自家受粉を選択した。単に不可避を延期する、最後の遺伝的戦略。ミツバチはもう居ないけど、花の形から、そのハチが存在したことが分かる。)

女: It's an idea of what the female bee looked like to the male bee...
 (オスのハチに対するメスの姿の概念...
女: ...as interpreted by a plant.
 (...植物の解釈としての。)

ベレー帽: Wow, so...
 (わぁ、それじゃ...)

ベレー帽: ... The only memory of the bee is a painting.
 (... ミツバチの唯一の記憶は、絵だね。)

ベレー帽: By a dying flower.
 (死にゆく花の。)

ベレー帽: I'll remember your bee, orchid.
 (僕は君のハチを忘れないよ。ラン。)
I'll remember you.
 (君も忘れない。)

Title text: In sixty million years aliens will know humans only by a fuzzy clip of a woman in an Axe commercial.
 (6000万年後、エイリアンは、AXEコマーシャルに映った女性のぼやけた1カットからのみ、人間を知ることになるだろう。)

 メスのハナバチに擬態し、オスのハチに受粉させる種類のランについてのコミックです。特別なオチはありませんが、コミックから伝わる虚しさと奥深さがあります。

8位: Settled(解決済み)

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Settled(解決済み)

グラフの中: Percentage of the US population carrying cameras everywhere they go, every waking moment of their lives:
 (生活中の目覚めている瞬間にいつでも、どこへ行くにもカメラを持ち歩くアメリカ人口の割合:)

[In the last few years, with very little fanfare, we've conclusively settled the questions of flying saucers, lake monsters, ghosts, and Bigfoot.]
 (ここ2,3年の間に、あまりファンファーレなしで(ひっそりと)、僕らは、決定的に空飛ぶ円盤、湖の怪物、幽霊、ビックフットの疑問を解決した。)

Title text: Well, we've really only settled the question of ghosts that emit or reflect visible light. Or move objects around. Or make any kind of sound. But that covers all the ones that appear in Ghostbusters, so I think we're good.
 (まぁ、ホントに可視光を放射もしくは反射する幽霊の疑問しか解決しなかった。もしくは物体を動かす幽霊。もしくはなんかしらの音を立てる幽霊。でもそれは、ゴーストバスターズで出てきたものを全てカバーしているんだから、僕はそれで十分なんだと思う。)

 グラフ1枚で完結させるXKCD定番のコミックです。アメリカ人(日本人も)のほぼ全員が、スマホ等に内蔵されているカメラモジュールを保持している現在では、未確認とされている物体や生き物は確実に撮影されているはずと言う気付きを与えてくれます。確かにその通り。

7位: Virus Venn Diagram(ウイルスのベン図)

virus_venn_diagram.png

Virus Venn Diagram(ウイルスのベン図)

緑の円: Computer problems that make people say, "Maybe it has a virus?"
 (「これってウイルスかも?」と人々に言わせるコンピューターの問題)

青い円: Computer problems caused by viruses
 (ウイルスに起因するコンピューターの問題)

Alt-text: Within five minutes of the Singularity appearing, somebody will suggest defragging it.
 (特異点が出現する5秒以内に、デフラグをしましょう。)

 相関図(ベン図)で表されるコミックです。「これってコンピューターウイルスかも?」と思う不具合が起こった時、それがコンピューターウイルスである確率は0%であると端的に図解しています。極端だけど、そうかも。

6位: Those Not Present(そこに居ないそれら)

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Those Not Present(そこに居ないそれら)

[Every time someone says something negative about a person who's not in the room, I scoot my chair back a few inches.]
 (その場に居ない人について誰かが悪口を言うと、いつも僕のイスは、10センチ程後退します。)

男: He's not so bad, but his friends...
 (やつはそれほど悪くないけど、その友達がね...)

[Scoot scoot](ずりっ、ずりっ)

女: His band is never gonna take off if...
 (彼のバンドは、間違いなく流行らないと思う...)

左の欄外: Yeah, his sister is even weirder.
 (あぁ、彼の姉妹は、さらに怪しいんだ。)

左の欄外: Did you see she had...
 (彼女ってさ...

[Scoot scoot](ずりっ、ずりっ)

ベレー帽: ...and there's a video, but it's blurry...
 (...でビデオがあってさ、でもぼんやりしてるんだ...)

主人公: What're you talking about?
 (何について話してるんだい?)

男: Giant squid!
 (巨大イカさ!)

主人公: Mind if I join you?
 (混ざっても良い?)

Alt-text: 'Yeah, that squid's a total asshole.' [scoot scoot]
 (「あぁ、そのイカがまたひどいヤツなんだ。」(ずりっ、ずりっ))

 「左の3人⇒今いない人を話題にする人々。」「右の3人⇒今いない未確認生物のことを話題にする人々」どっちかと言えば、左より右の方が楽しいよねぇという話です。Alt-textでもう一度オチを入れる展開もさることながら、舞台(コマ)の使い方が秀逸です。

5位: Combination Vision Test(コンビネーション視覚試験)

combination_vision_test.png

Combination Vision Test(コンビネーション視覚試験)

If you can see one big number but not the other, you have synesthesia and colorblindness.
 (他ではなく、大きい数字が1つ見えたら、あなたには共感覚も色覚異常もあります。)

Alt-text: If you see two numbers but they're both the same and you have to squint to read them, you have synesthesia, colorblindness, diplopia, and myopia.
 (2つの数字が見えるけど、両方とも同じで、それらを読むのに目を細めているのなら、あなたには、共感覚、色覚異常、複視と近眼があります。)

 色覚試験と数学、そしてシャレを組み合わせたコミックです。一見無意味なんですけど、少しだけ説得力があるのがXKCDっぽいです。

 この視覚試験に仕込まれた大きな2つの数字「42」については、以下の画像を参照してください。

combination_vision_test2.png

4位: Simple Answers(単純な回答)

simple_answers.png

Simple Answers(単純な回答)

The simple answers to the questions that get asked about every new technology:
 (あらゆる新技術について尋ねられる質問に対する単純な回答:)

Will [ ] make us all geniuses? | No
 ([新技術]は、私達を全て天才にしますか?|いいえ)
Will [ ] make us all morons? | No
 ([新技術]は、私達を全て低能にしますか?|いいえ)
Will [ ] destroy whole industries? | Yes
 ([新技術]は、全ての産業を破壊しますか?|はい)
Will [ ] make us more empathetic? | No
 ([新技術]によって、私達は、人間の気持ちがより理解できるようになりますか?|いいえ)
Will [ ] make us less caring? | Yes
 ([新技術]によって、私達は、他人を気にかけないようになりますか?|いいえ)
Will teens use [ ] for sex? | Yes
 (若者は、セックスの為に[新技術]を使いますか?|はい)
Were they going to have sex anyway? | Yes
 (いずれにせよ、彼らはセックスしますか?|はい)
Will [ ] destroy music? | No
 ([新技術]は、音楽を破壊しますか?|いいえ)
Will [ ] destroy art? | No
 ([新技術]は、芸術を破壊しますか?|いいえ)
But can't we go back to a time when- | No
 (でも私達は、特定の時間に戻ることができませんね。|出来ません)
Will [ ] bring about world peace? | No
 ([新技術]は、世界平和をもたらしますか?|いいえ)
Will [ ] cause widespread alienation by creating a world of empty experiences? | We were already alienated
 ([新技術]は、仮想の体験世界を作ることにより、広範囲に渡る疎外感を引き起こすのでしょうか?|私達は、既に疎外しています。)

Alt-text: 'Will Tech allow us to better understand each other and thus make war undesirable?' is one that pops up whenever we invent a new communication medium.
 (「[新技術]は、私達がよりよく相互に理解し、それに従い、戦争を望まれないものとする事が出来るのでしょうか?」 は、私達が、新しい通信媒体を発明した際に、いつでも浮かび上がる質問です。)

 新技術に対するよくある疑問への回答を表でまとめたコミックです。「新技術は人間の精神的な側面を何も変化させない」と言う作者の考えがよく反映されています。

3位: Is It Worth the Time?(その時間に価値はある?)

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Is It Worth the Time?(その時間に価値はある?)

How long can you work on making a routine task more efficient before you're spending more time than you save?(across five years)
 (節約よりも多くの時間を費やす前に、ルーチン業務をより効率的する取り組みがどのくらい出来ていますか?(5年間に渡って))

縦軸: How much time you shave off
 (どのくらいの時間を節約したか)

横軸: How often you do the task
 (どのくらいの頻度で業務を行っているか)

Alt-text: Don't forget the time you spend finding the chart to look up what you save. And the time spent reading this reminder about the time spent. And the time trying to figure out if either of those actually make sense. Remember, every second counts toward your life total, including these right now.
 (節約する時間を調べる為にこのチャートを探しながら過ごす時間を忘れないで。それから、消費時間についてのこのヒントを読みながら過ごす時間も。そのどちらかが実際に意味を成すかどうか理解しようとしている時間も。一秒ずつ、あなたの人生の合計へと加算されることを覚えておいて。たった今のも含めて。)

 「効率化」とは何かについて、読者に淡々と語りかける、一枚のチャート。これはもはや、コミックではないです。それがXKCD。便利なチャートだと思います。

2位: Time(時)

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Time(時)

Alt-text: Wait for it.
 (待ってて)

 XKCDでは、定期的に実験的、かつ壮大なコミックを世に送り出してきますが、これもその一つです。初めに掲載された1枚の画像から、30分ごとに少しずつ変化していきます。久しぶりに見に行ったら全て終わっていました。一連のストーリーは以下のサイトでまとめて閲覧可能です。

 上記サイトの[Play]と言う左上の丸いボタンを押せば、とてつもない量のコミックが始まりますので、よかったらどうぞ。

1位: Debugger(デバッガ)

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Debugger(デバッガ)

男: I don't understand how my brain works.
 (僕の脳がどう働くのかよく分からないんだ。)

男: But my brain is what I rely on to understand how things works.
 (でも、物事の働きを理解する時に依存しているのが僕の脳なんだ。)

女: Is that a problem?
 (それって問題?)

男: I'm not sure how to tell.
 (どう言えばよいかよく分からないよ。)

Alt-text: It can take a site a while to figure out that there's a problem with their 'report a bug' form.
 (サイトは、「バグ報告」フォームに問題があると分かるまでに、時間が掛かることもある。)

 情緒に溢れ、深く考えされてくれるこのコミックを私感により、あえて1位に選ばせていただきました。

XKCD作者が書いた本

 XKCDの作者、ランドール マンロー氏の著作本『ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか』を紹介します。ウェブサイトに投稿された科学のおかしな質問を、XKCDばりの捻くれ方で回答し、それらを本にまとめたものです。こちらも面白いので是非に。

 この記事のカテゴリは、xkcd日本語訳(2014年) です。
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