Archives | Tumblr | Contact | bullet-feed.pngRSS 

システムエンジニア(SE)とプログラマ(PG)、どっちが上とか、どっちが下とか


このエントリーをはてなブックマークに追加

下流から見たIT業界: SEとPG、どっちが頭がいい?(1)
下流から見たIT業界: SEとPG、どっちが頭がいい?(2)

 タイトルは釣りっぽいですが、上記の記事で、2回に渡ってシステムエンジニアとプログラマについての関係が書かれています。

 そもそもアメリカなど欧米諸国では、『システムエンジニア』と言う職種自体、存在しないんですね。これは知りませんでした。"SE"が、"OL"と同じレベルの和製英語だったとは。ここのブログのタイトルも「涙目で仕事しないPG」に変えようかしら。

 システムエンジニアの定義について、wikipediaでは、以下のように書かれています。

1. 顧客の要求に対する聞き取りをして要求定義を行い、構築する情報システムの内容を明確化する。
2. 定義された要求を実現するために構築するソフトウェアとハードウェアの設計を行う。
3. ソフトウェアの構築とハードウェアの調達を行う。
4. 構築するシステムのテストを実施する。
5. テストにより発見されたバグの修正を行う。
6. テストに合格したシステムを構成管理して稼動開始させる。
7. 稼動したシステムの運用管理を行う。
8. 運用管理の成果に基づき、顧客にシステムの改善を提案する。
9. 以上の全域に渡り、システム構築のプロジェクトマネジメントを行う。

 職種の役割的な観点から言って、システムエンジニアと言う職種上、意地でもプログラミングはしないと言う事ですね。ここにプログラミング作業さえ入れば、システムエンジニアとプログラマはほぼ同化します。同化出来ると言う事は、「プログラマ+上流工程=システムエンジニア」と言う理論になり、上とか下とか、頭が悪いとか言う話が出て来るんだと思われます。

 また、職務権限的な観点だと、上記の記事では以下のように書かれています。

日本にソフトウェア開発が産業として根付いたときに、PGが単純作業労働者と位置付けられてしまったため、上級技術者を区別する言葉が必要とされた、それがSE(システムエンジニア)だ

 SEとPGの出来始めは、おそらくそうだったのでしょう。人を出すときのユーザー説明への妥協点として、製造者と管理者的な区分が必要だったのかもしれません。しかし、今ではこの区別も業界全体が複雑化して、適応できないものになりつつあります。基本2つしかないのは荒っぽすぎる。僕なんかどっちかなんて切り分けられないし。

 だったら、SEって職種いらなくね?

 細かく分けるなら分ける、無くすなら無くす、どっちかにするべきだと思います。

 職務権限(課長とか主任とか)と、開発時の役割(プログラマとシステムエンジニア)が企業の中で混在してるためこのような問題が起きるのでしょう。

 最近は新たな妥協点として、『主任SE』とか、『上級SE』とか更に良く分からない職種(職務権限?)が登場しています。普通の主任とか、普通の課長との違いが僕にはよく分かりません。やってる事は同じっぽいし。もう、どうでも良いです。

 僕なりの結論としては、『SEとPGは単なる役割であって、上も下もない。職務権限とごっちゃにするから話がおかしくなる。しかも職種権限でさえも、上とか下とかもないし。権限も役割の一つ。』と言う事で。

 元記事に戻りますが、(2)の記事では、IT業界の空洞化について非常に鋭いところを突いています。

現在のIT業界で「SEとPGのどちらが頭がいいか」と問われたら、「どちらも頭は空っぽだ」と答えざるを得ません。これは技術者個人個人の責任ではありません。明らかに企業のアウトソーシング戦略の結果です。単に頭が空っぽなだけならまだしも、このような技術者が多数派になってしまったおかげで、技術に対する浅薄な侮りと無知が蔓延(まんえん)するようになってしまいました。

 まさにこの通りですね。全てを外注して、自社としては、一体何を残すつもりなのでしょうか。究極的には、アウトソーシング技術だけが高まっていくトンネル会社のようになってしまいます。会社に流されているといつの間にか空っぽ人間になってしまうかも。自発的なスキルアップは必至です。

 ・・・と、IT業界の片隅でぽつりと愚痴ってみても状況は悪くなるばかり。これが時代の流れなのかもしれませんねぇ。

 最後に、村上龍著「13歳のハローワーク」を最近借りてきたのですが、こんな記述があります。

たとえばSEという職業ですが、新しい技術が次々と生まれて、ソフトも変化していくなかで、わずかな例外を除いて、システムエンジニアは最終的に不要になるかもしれません。

 と書かれています。異論を唱えたかったのですが、上手く答えられない。僕自身もそう感じるときがあるからです。

 これは13歳が大人になるとき何になりたいかを導く本ですので、今の情勢的にこの書き方は正しいと思います。

 今の子供が、本当にIT関連の職種に就きたいのであれば、システムエンジニアよりむしろプログラマを目指すべきです。今後予想される、技術抜きされて平均化されたSEと言う職種は、子供が目指すべき職業ではなくなります。

 楽しくなければ目指す価値も無いのですから。そういう点で、13歳の選択は意外にシビアです。


13歳のハローワーク - 村上龍(著)

仕事:まあ、SEにもその自覚があるから反応しちゃうんだろうなぁ


このエントリーをはてなブックマークに追加

hatena
 下記のはてな匿名ダイアリーに反応。

SEってなんでそんなに仕事中暇があるの?バカなの?死ぬの?

 もうタイトルは消えちゃってますが、ちょっとした意見を聞くつもりで書いたらかなりの反応があったのでタイトルを消してしまったらしいです。基本的に同意しますよ。書いている通りだと思います。みんな多少の自覚はあるんじゃないでしょうか?

 結論めいたものを、一部引用します。

「残業はデフォ。その理由は純粋作業時間ではない。

 Twitterとかいうのの利用時間はバラけており

 監督者もいないし、自分で時間管理に責任も負わない」

 まぁ、ほとんどのSEやPG(IT関連の人達)はその自覚がありつつネットやってるんだと思いますよ。ごちゃごちゃ理屈は言いません。そういう点では、まさにその通り。

 と、平に納得してしまってからもう一文章書きますが。

 まず、昼休みと就業時間前は必ずPC弄ってますね。そういう点、PC馬鹿と言うか、ネット馬鹿と言えば馬鹿なのかもしれない。それが分かってて仕事中もちらちらネットはやってます。ネットから得る情報も仕事の肥やしだったりするのが微妙な所です。

 まぁ、そういうのは家でやればよい、と言われれば身も蓋も無いわけですが、会社で見るサイトと家で見るサイトは微妙に違いますね。会社では、どっちかと言うと技術寄りです。出来る限り仕事の刺激や参考になるようなサイトを見て回ってますが、ある程度遊び的なノイズは混ざりますね。

 仕事上、ネットで仕事の資料を調べてる時と、技術系の気になるサイトを巡回している時の区別は非常につきづらいです。

 会社で見てるネットは、結局、休憩の代わりですね。タバコ吸いに行く人が使う時間と一緒かなー程度に、僕は考えています。

 実際、1時間のうち5分でも、やっている作業を止めて、まったく別の事を挟むと仕事の効率が全く違います。逆に言うと、定時の間続けてずーっと作業し続けるのは不可能です。

 ネット接続問題とはまったく別と言う観点になりそうですが、別の職種の方は、別の一休みする場所があるんでしょうけど、SEなどの場合、休憩する逃げ場が目の前にあるので、一番気楽な休憩場所(現実逃避の場)になっていると言う事情もあります。

 出来れば、みんなが定時に帰って、家だけでネットを触ると言うのが本当の理想な姿だと思います。そういう状態がデフォルトになる業界に何とか転換してほしいものです。

 でも、ここまで書いちゃうと、IT業界だけの問題じゃなくなってしまうのでは?たとえば、営業職もどこかで息抜きの為に休憩してるんでしょうから。

仕事:SNSによる社内情報共有の可能性について


このエントリーをはてなブックマークに追加

[ThinkIT] 第1回:SNSによる社内情報共有の可能性 (1/3)

 結構古い記事だけど、とても興味を持ったので。シリーズ物です。

 「会社にSNSを立ち上げてみんなで情報を共有しましょう」って話。

 あぁ、すごーくやりたい。これに時間くれるなら、管理しても良いと思う。成果が目に見えるので楽しく仕事出来そう。

 社内の情報共有って言うのはお題目に良く上がるテーマだけどなかなか実現するのが難しいです。何か社員が自発的にやってくれる仕掛けを作らない限りは不可能だと思います。

 みんなが自発的に共有したいと思うためには、「多少の遊びを入れても良いじゃない」と思う訳です。情報の共有化について、強制的に押し付ける方向では、絶対に不可能だと僕は思います。

 少し引用しますが。

社内SNSの導入にあたっては、当初からSNSと決めていたわけではありません。当初はWikiを設置して、編集機能の権限を技術本部の人間だけに許可し、運営していました。その後、Wikiの機能拡張をしたり、PloneといったCMSに移行するなど、様々なツールを試したのですが、社内で活用されないという問題にぶつかりました。

 僕も個人的にWikiを立ち上げて何人かに使ってもらっているのですが、部署全体とかそういった所までの広がりは到底不可能です。そもそも自分の為にやっているので、ともすれば余計な仕事をしてると思われる可能性だってあります。

参照(Pukiwikiの紹介)
仕事:思いついたことを整理するために最適なツールは何か?

 「ウォーターフォールモデル」のような上から下への情報共有ではなく、みんなが自発的に投稿してくれる環境作りをしないとだめだなぁと常々思っています。

このCGMの考え方を応用し、社員が参加しやすいサービスを提供することで、コンテンツの制作者として技術本部だけではなく、社員の1人1人の力を集約できるようにしてはどうか、と考えました。
TISの社内SNSは、筆者のチームで開発しています。自社で開発した大きな理由は、Web 2.0やAjaxなどの新しいテクノロジやトレンドについて、自ら触れてみることでその理解が深まると考えたからです。

 良いなぁ。僕のやりたい仕事はまさしくこれかもしれない。

また社内SNSでは、論文やレポートといった形式知ではなく、コミュニケーションに含まれる暗黙知の共有を目指します。ブログやそこでのコミュニケーションであれば、書き込みの敷居は下がるため、知らず知らずのうちにナレッジが貯まるのです。

 うん、まさにこれだね。負荷にならずいつの間にか情報が蓄積される。理想的じゃないかと思おう。

ナレッジは人に宿るものです。それを、会社のために強制的にアウトプットさせては、社員のモチベーションがあがらず、情報共有が難しくなります。そうではなく、社員同士でコミュニケーションできたり、個人が自由にブログなどで情報を発信したりできる「場」を提供することで、アウトプットを促していきます。

 もう、激同意。このままの文章を全社の人にメールで投げつけたい気分。

 そして、僕もそこの仕組みの中で、少しだけ遊ばせてよ。(これが本心かも)

仕事:P.F.ドラッカー氏から学ぶ「涙目で仕事をしないSE」の意味


このエントリーをはてなブックマークに追加

 また、ブログタイトルを変えてしまいました。(汗)

 ころころ名前を変えるブログはどうかと思いますが、ちょっと思うところがあったので。リンクしてる方に迷惑が掛かるので、改名はこれで終わりにします。

 ブログのタイトルってのは、簡単に付けて良さそうで実は奥が深いです。悩み出すとキリがありません。

 このブログ、一貫したテーマが無く、ばらばらな事を常に書いているので、もう少し統一性をもたせた方が良いかなぁ、なんてことを少しだけ思いました。

 ブログタイトルは、下記の3つが出来る限り少ない字数で表現するのが良いと僕は思います。

  • ブログで何をしたいか
  • どういう立場か
  • 何を訴えたいか

 これで、軽く「くすっ」としてもらえば更に良いです。一応30分くらい悩みました。で、思いついたのがこのタイトル。良し悪しは別にして、もう変えませんので。

 最近、IT業界の事について敏感に反応してますが、それは僕が今一番憂いを持っているテーマだからです。

 中期的な話ですが、いわゆる設計や開発する一般的なSEからは足を洗って、どうも企画する部署に異動しそうな気配です。企画と言っても営業的戦略を立てる企画部ではなくて、内部的な開発業務フローを構築して、管理して、みんなが仕事しやすい環境を作る、みたいな所らしいです。

 ・・・そうだと良いなぁと。実はまだその部署が出来て無いんです。今は準備室みたいな立場で前の部署から移動して、席を置かせてもらってます。

 なので、「頑張らないで仕事が出来る環境」とか、「自発的に仕事へ向かう環境」とかそういった事に今一番興味があります。そういうテーマのブログにしようと思いまして。

 最近、こんな本を読んでいます。

ドラッカー 365の金言

ドラッカー 365の金言 - PFドラッカー

 P.F.ドラッカー氏の著作には前々から興味があって、ちょこちょこ読んでいたのですが、どうも難しくて途中で挫折してました。

 この本は、ほんとに語りたいエッセンスだけ凝縮され、1ページずつで完結しているので、興味のある方が一番初めに読むには最適だと思います。

 僕が感じるに、ここには仕事というものの本質が書かれていると思います。まだ半分くらいしか読んでないのですが、ふむふむと思いながら読んでいます。一文だけ引用しますが。

重要なことは、できないことではなく、できることである

 「出来ない事を涙目で仕事しない。出来る事を見つけてそれに注力せよ。」というのがこの教えです。出来ない事は出来る人を見つけて任せます。そこに組織と責任が生まれてきます。

 この本を読んで管理職(つまりマネージメント)への考え方が少し変わりました。大事なのは「仕事を頑張らない」じゃなくて、上記のことです。

 辛い思いを味わった人々は、愚痴を吐くばかりではなく、辛い思いをしないための仕組みを作る努力をして、若い人に広める事が重要だなと思いました。

雑記:「工学部離れ」で志願者4割減、工学部に入るのは今がチャンス!とか言ってみる


このエントリーをはてなブックマークに追加

「賃金低い、出世しない」 「工学部離れ」で志願者4割減

 実感はないのだけど、ここ5年間で、工学部の志望者が4割減っているらしい。本当なのかな?

 ちゃんとしたデータではないのだけど、下記のページに興味深いランキングがある。

職業・学問 | Benesse マナビジョン

 ここの高校生がよくアクセスする「学問アクセスランキング」を見ると現状が良く分かる。

1位 心理学
2位 経済学
3位 外国語学
4位 経営・商学
5位 法学
6位 国際関係学
7位 社会学
8位 日本文学
9位 教員養成系
10位 美術・デザイン

 見事に理系といわれる分野が1つも無い。やっぱり理系離れは本当らしい。

 でもさ。

「エンジニアが下積みになっています。親や先輩、友人の父親を見て、生涯賃金のことが分かるので、インセンティブが小さいんですよ」

 これは聞いた事無いよ。僕も漏らした事無いし。マスコミの誘導なんじゃないかと思ってしまう。こういう記事書くともっと離れて言っちゃいますよーっと。

 だったら、「工学部へ入るのは今がチャンス!」とか前向きに書いたほうが良い気がする。

 だって志望率減ってるんだったら倍率も下がってるはず。今狙うべきは工学部だ!とか言ってみる。

だめぽ:「文系理系の生涯賃金格差は5000万円」だってさ。


このエントリーをはてなブックマークに追加

 今日はなんだか色々と書きたくなる日です。一個前に書いた記事と微妙に関係してます。

 「文系理系の生涯賃金格差は5000万円」 ~さらば工学部(6):NBonline(日経ビジネス オンライン)

 この記事を読んで色々と考えさせられました。

 文系に比べ、理系の生涯年収は5000万円安いのだそうです。

 なんだか、「もうだめぽ」な気分になりました。

 「文系」と「理系」と言うくくりはどうなのよ、と言う根本的な話も確かに有りますが、IT業界はどちらかと言うと理系よりと言うのは間違いないです。IT業界の入社条件は普通プログラマーなのですから、大学的な科目としては、工学系や理工学系です。

 もしかしたらIT業界の年収の低さが理系の生涯年収を下げている可能性だってあります。

 もう1つは、昇進スピードに差があることです。理系出身者の方が課長になるのが遅い傾向があります。技術者などは上級職のポストが限られていることが関係しています。

 これはもう間違くIT業界の事です。技術者に対する正当な査定と言うか評価がほとんどありません。技術的な面で認められ管理職になったとしても、結局管理的な仕事を負わされ、煩雑な事ばかり増え、本来の実力を発揮出来ずに降格なんて事もありえます。技術的な上級職が必要です。

 日本の経済成長を考えれば、新たな製品を出してくれる、理系人材の価値はむしろ高まっています。理系出身者の処遇が悪いことは、社会で付加価値を作り出す、あるいは、消費者にとって今までとは違う価値あるものを作るといったことが、あまり評価されないことに近い。これは、長期的には日本の経済成長にとってボクシングのボディーブローのようにじわりと悪影響を及ぼしてくるに違いありません。

 IT業界にとって見れば、この状態が長く続くと、IT業界全体の衰退を招きます。マイナスイメージばかりが先行し、優秀な新卒が減ってしまえば、教育すらままなりません。このまま衰退が進み、ソフトウエアは、海外へ発注するのみになってしまうのか。今が分かれ目です。

 日本発の新技術が発明され、そうした新技術の開発に携わっている研究者なり技術者なりが業績に見合った処遇を受ける。本来であれば、そうでなければならない。しかも、若い人たちがそのことを認識できるようにしなければならない。

 全くもってこの通りです。IT業界は直接ものづくりをしている訳ではないですが、優れた技術を持った人はきちんと査定される、そういう業界でなければいけません。僕が憧れだったIT業界は今では、全くかけ離れた遠いものになっています。

 若い人達、特に子供たちにとっては憧れの存在でなければと思います。

 今僕がやっている仕事は、なにか、誰かが掘った穴を埋めてるだけの仕事をしてるように思えて仕方ありません。

システムエンジニアが陥りやすい心の病 - 「うつ病」からの職場復帰


このエントリーをはてなブックマークに追加

前回:ITエンジニアが陥りやすい心の病

連載:第795回 ITエンジニアによる、うつからの職場復帰

 IT業界では、激務や過度のストレスから、心の病を患う人が急増していることは、前回述べました。心の病については、素直に上司に相談する。直属の上司の理解がない場合は、しかるべき部署へ(人事部など)へ相談する。または、産業医が居れば相談する。最後には、精神科や心療内科に一度行って見るなど、悩むだけではなく具体的なアクションを起こすことが重要となります。

 診断の結果、うつ診断を受け、職場を長期休暇出来たとして、では、職場復帰はどうすればよいのでしょう。ここにも色々難しい問題が潜んでいます。

 今回は、うつになってしまい長期休暇した後の職場復帰について、ケーススタディを紹介しながらより良い職場復帰について考えてみようと思います。

 前回と同様、とあるITエンジニアの実例を上げてみたいとおもいます。

ケーススタディ1:職場復帰談(システムエンジニア Nさんの場合)

 システムエンジニアのNさんは「うつ」診断を受け、1ヶ月の長期休暇に入ることになりました。直前までとてもたくさんの仕事を抱えていたのですが、「医師の診断書」の効力により、即、長期休暇に入ることになりました。引継ぎもままならない突然の休みでした。

 突然穴を空けてしまった事をNさんは初め心配しましたが、仕事と言うのは一時的には大きな穴であったとしても、それなりに穴が補填されます。Nさんが居なくても、重大な問題は起きませんでした。

 休暇を取る際、特別な手続きは全く必要なく、まずは溜まっている有休を消化する事になりました。有休は40日ほどあったので、これだけでも軽く1ヶ月以上休める計算です。

 Nさんは「ただ溜まってる有休を消化してるだけなんだ。」と割り切る事にして、とにかくゆっくりと自宅休養することにしました。家でごろごろしたり、ぼーっとしたり、本を読んだり、散歩したり。あまり考え事をせず気ままに過ごして、予定通り1ヶ月の休養を取り、更に余裕を持ってもう1週間ほど休みを取りました。結局、有休はほとんど無くなってしまいましたが、休職扱いにはならなかったので、給料が下がることはありませんでした。

 職場復帰は、前と同じ部署に戻される事になりました。これは本人の希望と、急激な変化はうつにとってよくないと言う人事側の配慮でした。

 最大のストレスの元となっていた保守対応の携帯電話を持つことがなくなり、同じ職場内であまり電話を取ることが無い席へ移動しました。初めの1ヶ月間は定時で帰る事を条件にしてもらい、しばらくはゆとりを持って仕事に復帰しました。

 仕事しながらも1ヶ月に一回、再発予防の為、定期的に通院しています。「月に最低でも一度の休みが取れ、気持ちに余裕が出ます。先生と定期的に経過を話すことにより、気持ちの整理が出来て客観的に物事がみれるようになってきました。」とNさんは語ります。

 長期休暇の理由については、必要最低限の人のみ知らされます。とても心配しくれる方が何名か居ましたので、病名を告げましたが、他の方は意外と長期休暇の原因を聞いてきません。これは意外なことでした。

 職場復帰して約1年間は、あまり重たい仕事を付けられずゆったりとした仕事のペースです。今までのように仕事が全てではなく、仕事も生活の一部でしかない、と考えられるようになりました。また、「無理そうだな」と思う仕事を事前に察知する能力が多少身についたと言います。

 長期休暇や「うつ」になったと言う事で、査定を下げられると言う事は全くありませんでした。ただし、昇進欲がなくなってしまったので、長期的に見れば給与水準は下がってしまうのかもしれません。しかし、昇進だけが人生ではないと割り切る事も大切だとNさんは語ります。

良い職場復帰とは

 良い職場復帰には、まず、急激に環境を変えない事が大切です。職場復帰と異動がセットになってしまうと、急激な変化に耐えられず、うつが重くなったり、再発してしまう可能性があります。

 大切なのは、職場を変える事が出来る実行権のある上司に、事情を理解してもらい、同じ職場に戻りつつ、仕事量を減らしてもらう事が大事です。また、原因となっていたストレス元はなるべく排除してもらった方がよいでしょう。同じ職場でしばらく慣れた仕事を行い、元の仕事量に戻ってきたところでもう一度上司に相談する事が必要だと思います。

 もし、話し合いの後、改善の無いまま、うつ症状が出る前と同じ仕事をさせられるようであれば、ここで初めて異動を考えるのが良いと思います。うつ症状が出る前の上司と話し、以前とどのように状況が変わったのか説明してもらう事により、留まるか、異動するべきかの判断材料になると思います。

 ここで話が通らないようであれば、産業医から話をしてもらったり、医師の診断書などを再び出してもらう事も必要かもしれません。残念ながら職場の体質と言うのはそう易々と変わるものではありません。

 最後の手段としては転職も可能ですが、自らの症状が良くなったのかどうか良く考えてから実行に移した方が良いと思います。

 うつによる長期休暇の取り方は大事ですが、良い職場復帰も大事で難しい事です。相談するべき相手と、時期を良く見極めてから復帰や異動をする事が大切と思います。仕事上のストレスからうつになってしまった方は、それなりの重要な情報を握っている(会社に取って手放したくない人材)のはずなので、そこを最大限に利用するべきだと思います。

雑感:うつ病の偽装、仮面うつを見極めるには


このエントリーをはてなブックマークに追加

 mixi方面のある方の日記を読んで色々思ったので、雑感を書くことにする。

 その日記の趣旨と言うのは以下の通り。

 過去に一度うつ病の診断を受けたとある人物が、その日記を書いた人の部下についたらしいのだが、どうも様子がおかしく、ある時期から突発的な遅刻や欠勤が目立つようになった。リサーチを掛けた結果、うつ病を盾に体調不良を装って、自分の趣味の為に外出していたのが発覚したとの事。

 はっきり言ってしまうと、うつ病の偽装や仮面的な振る舞いは可能だ。うつ病などの「心の病」の大半は、数値などで診断されるものではなく、医者と面と向かって話をし、最終的に医師が判断する。ある程度の診断のガイドライン的なものはあるにしても、結局は数値的な判断がなされないので、ネットでうつ病っぽいキーワードをさらってきて、そのまんまを沈みがちに医者へ告げればおそらくうつ病の診断は下されてしまう。

 うつが社会現象として表ざたになってくれば、ある程度の確率でこういった仮面うつ病を装う人が現れるのは仕方ないとは思っている。しかし、これでは真面目に苦しんでいる人が浮かばれない

 Nさんの実例(過去の記事)を見るからに、ほんとに辛い人は周りが見てて辛くなるほど、ぎりぎりまで耐える。僕の周りにも数名、もう十分だろうと思われるのに性格的に働きしすぎてしまう人の実例を、周りで嫌というほど見ていて、どうにか休ませる方向に持っていけないかと心を痛めているくらいだ。

 そういった本当に辛く、なおかつ、性格的にうまくストレスの逃げ道をうまく作れない人々に対する、最後の駆け込み寺的な存在が今のうつ診断の役割だと思う。

 なので、仮面や偽装を行い、作為的にサボろうとする輩は本当に心の底から許せないのだ。多分、将来的にはうつ病の増加とセットで仮面うつが社会的にもっともっと認知されてくると思う。こういった状況が長く続いていくと、本当に休むべき人への妨げになる可能性がある。

 少数派だとしても仮面的なうつが存在している場合、病気そのものの知識が無いと、一般的な上司はおそらく判断できず無駄に振り回されてしまうだけだと思われる。そんなどうでも良いことに時間を割くのは無駄が多すぎる。

 あまり結論めいた事は書けそうにないが、要は、本人の落ち込みや自己嫌悪が極端になり、周りに適応できなくなったり、負荷が大きすぎて思考停止している状態かどうかが、とりあえすの見極めポイントになる。

 結局、長く偽装していれば、mixi日記の実例のようにいつかはボロを出すはずなので、この人は何かおかしいと思った場合、まずはその人の様子を注意深く観察するのが良いかもしれない。その際、感情抜きで冷静にその人を観察することが大事だ。まず、その辺りを軽々しく公言する人は怪しむべき。性格的に耐え忍んでしまう人は、一度掛かったうつ病を軽々しく口にしない。

 また、休ませる方の立場にいる人についても、ある程度はこの病気についての知識を蓄えておく事と、ある程度の割合で仮面が存在していることを認知する事が今後必要になってくると思う。

 社会的認知の方は、おそらく数年もすれば自然と表沙汰になってくると思う。そういう点では、現在の生活保護の締め付けと良く似た問題かもしれない。

システムエンジニアが陥りやすい心の病 - 突然やってくる燃え尽き症候群


このエントリーをはてなブックマークに追加

連載:第794回 突然やってくる燃え尽き症候群

燃え尽き症候群の事例

 IT業界では最近特に人員不足や納期の早まりと相まって心の病を患う人が増え、社会問題化し始めている。心の病の中でも多いのが「うつ」と「燃え尽き症候群」だ。これら心の病は日ごろから気をつけていないといつの間にか陥ってしまう事が多い。

 ここでは、とあるITエンジニアの実例を通して燃え尽き症候群の発生プロセスと対策方法について考えてみようと思う。

体験談(システムエンジニア Nさんの場合)

 システムエンジニアのNさん(当時35歳)の1日は次のような感じで過ぎていく。平日の朝4:30、会社からの緊急携帯電話が鳴る。「○○の調子がおかしいんだけど、、、。」と現場からの電話。眠い目をこすりながら子供が起きないよう静かに寝床から這い出し、暗い中リモート用の端末を立ち上げる。AM6:00まで色々と見てみた物のおかしい原因が良く分からない。仕方なく私服にすばやく着替え、会社へ向かうことにする。

 午前中に何とか不具合は解決し、やれやれ帰ろうと思ったところ、今進めているプロジェクトも火がついており、リスケジュールの書類作成を頼まれすぐに帰れず。結局定時にも帰れず寝不足のまま帰宅するが、次の日の夜間業務は待ってくれない。そのため携帯がいつ鳴るか分からない。

 Nさんいわく、「開発と保守の両立が無理なのは分かっている。だが、人が足りない。誰かがこの役割をやらなければ。今のところ私しか出来ない。もう少しすれば開発は落ち着くはずなので、今を乗り切るしかない。」と。

 同僚が心配し、「最近疲れてるみたいだけど大丈夫?」と聞くが、「このくらい忙しいほうが自分にはあってるんですよ。給料も増えるしね。」とNさんは無理して答えるのであった。

 しかし。社運が掛かった大きなプロジェクトがひと段落し、ある程度の余裕が出来てくると、Nさんは突然、仕事もプライベートも何もする気が起きなくなり、仕事のペースもがた落ちになった。何とか会社には行くものの、自らの身だしなみも気にならなくなり半廃人のように会社でマウスをぐるぐる動かすだけの人になってしまったのであった。

 今まで、色々難しいことを乗り越えながらも何とかやってきたNさんであったが、最近の無気力ぶりを見かねたのか、妻に様子がおかしいと言われ、いやいやながらも初めて心療内科に足を運んだのである。

燃え尽き症候群の特徴(Nさんの場合)

1.睡眠障害
 夜間に掛かってくる電話が気になり、業務のピークになるAM4:30になると勝手に目が覚めてしまう。結局眠ることが出来ずそのまま会社へ。

2.つねに疲労感
 いつでもどこでも疲労感を覚え、常にぐったりした状態になる。毎日肩や首が理由も無く痛かったり、指先の痺れ等が起きる。午前中(特に月曜日)に症状がひどく、なにもやる気が起きない。

3.人と距離を置く
 極端に人と話したくなくなる。SEと言う仕事の関係上、人とコミュニケーションをとらなければ仕事にならないのだが、人と話す気が起きない。対人恐怖症のような状態に陥る。昼休み、同僚と同席してご飯を食べるのが苦痛になる。休日も友人と会う気が起きない。好きだった趣味も全く興味がなくなる。

4.突然泣きたくなる
 特別な理由はないのだが、仕事中席を抜け出してトイレの個室で泣いたりする。解決できない悩みの吐き出し口が無く、意味も無く涙が出てくるときがある。

5.とにかくやる気がない
 仕事が山のように溜まっていることは実感しているのだが、肝心の手が動かない。ファイルを開いたり閉じたり、無意味な作業を繰り返すのみになる。

 上記のような症状に一つでも思い当たる節がある方は要注意だ。特に1はもっとも分かりやすく多いうつの前駆症状で、これを繰り返すことにより「うつ」のリスクがさらに高まると言う。なんらかの対策を講じなければそのうち燃え尽き症候群に陥ってしまう可能性がある。

燃え尽き症候群からの脱却(Nさんの場合)

 一度心療内科に行き、うつ病の症状が出ていると診断され抗うつ剤の処方をしてもらったものの、会社へ行きながらの治療では症状があまり改善しない。まずは上司に相談したところ、うつに対しては一定の理解があったものの、人手不足から他に仕事を振る人が居ないということで1週間だけ休みを貰い職場に復帰。

 しかし、1ヵ月後同じ症状が再発した。

 良い解決策は浮かばず、かなり悩んでいたのだが、そのとき、ちょうど課内の状況を知ると言うことで人事部のヒアリングがあったため、人事部の課長に相談を持ちかけてみた。ここでようやく事の重大さがはっきりしたらしく、急遽、会社とつながりのある精神科の病院に転院し、診断書を取り寄せ、まずは、1ヶ月の休暇を貰うことになった。そして、全ての仕事は同僚や上司に配分された。

 今では「業務時間外の連絡禁止」と「定時退社」という条件付で同じ職場に復帰し、ゆとりを持って働いているようだ。

同じ境遇の人のために

 Nさんは語る。

 「燃え尽き症候群」や「うつ」などの症状を改善する方法は2つしかないと思う。「休養を無理やりでも取る」事と、「原因となっている困難な仕事を全て誰かに引き受けてもらう」ということだ。業務から外れられない中途半端な休暇はかえって逆効果なので注意していただきたい。

 一番良くないのが「この仕事は自分しか出来ない。他の誰かには無理だ。休んだり、人に任せることはまかり通らない」と言う思い込み。

 無理やり1ヶ月くらい休んでしまえば、それなりに人員整理が働いて勝手に調整されるもの。それが組織ってものだ。

 うつや燃え尽き症候群は心の病なので、はっきりとした症状が出にくく、本当にその症状かは自分ではなかなか気づかない。もしかしたら「うつ」ではないのかもしれないが、上記のようなケースの場合、普通は有給休暇が山ほど残っているはず。

 本当なら有給休暇はいつでも取れるのだが、なかなか休みを申請しづらいと言う方は、一度心療内科へ行き上記のような症状を素直に訴えてみると良い。そして何らかの診断を貰い、最終的には「長期の休暇が必要」と言う診断書を貰う。これで普通の会社なら1ヶ月から数ヶ月休暇が取れる。

 同じ境遇の人が居たらぜひ参考にしてほしい。何が何でも成果を挙げる事より、ゆとりある生活を手に入れる方が何倍も幸せなのだから。とNさんは最後に語った。

後続記事:ITエンジニア「うつ」からの職場復帰

仕事:働きすぎで倒れた


このエントリーをはてなブックマークに追加

 もう起きてから、1ヶ月近くも経とうとしている11/3の出来事ですが。

 午前様に帰って、深夜2時頃に、さて寝ようと思いソファから立ち上がったところ、なぜだか「ぱたっ」と気を失ってしまい、思いがけず救急車に乗ってしまいました。

 幸いすぐに気が付いて外傷も無く、頭痛や吐き気などの症状も無かった為、一応病院で見てもらい、その日の内に帰れたのですが、原因がよく分からず気持ちが悪かったので、この一ヶ月は通院してあちこち検査をしていました。

 しかし、検査結果はどれも良好。調べても結局何も出ず。

 診療も最後の方は医者と話すことが無くなり、最後には「経過観察」と言うことになってしまいました。悪いところが見つかればそれはそれで大変なのだけど、何も出ないのもちと困ります。

 あやふやなままだとやはり気持ちが悪いので自分なりに調べてみたところ、おそらくこれじゃないかと言う気がしてきました。

 起立性低血圧症

 まあ、どういった名前が付くにしても、原因は「疲れ」と言う気がしています。